第1029回 例会 2022年12月14日(水)
更新日:2022/12/14
年次総会
議長:稲垣善朗会長/提案者 稲垣善朗会長、平野勝則会長エレクト
挨拶:平野勝則会長エレクト
司会進行:丹羽 修幹事
開会
○定足数確認 (丹羽 修幹事)
会員数64名、出席者53名、委任状7名、
上記により総会は成立
第1029回 例会
1.点鐘
3.稲垣善朗会長 挨拶
それでは、本日のゲストの方を紹介させていただきます。まず、益田スマートファーム(株)の技術顧問、また全国小水力利用推進協議会前代表理事である沖武宏様です。また、同じく益田スマートファーム(株)の取締役であります堀江勝幸様です。卓話をよろしくお願いします。本日の卓話担当は、大見満宏さんです。よろしくお願いします。
私の青春時代、高校2年か3年の夏だったと思います。島根県の益田にお邪魔したことがあります。そこはというと、島根県のかなり西にある街でして、蟠竜湖や競馬場がある街でした。海が大変綺麗だったという懐かしい思い出があります。
さて、先程は年次総会へのご協力ありがとうございました。また、先週の年末会員家族親睦クリスマス例会への多数の参加ありがとうございました。当日の各委員会のご協力、特に親睦委員会の皆様には大変感謝しております。また、カラオケ同好会の皆様にも会を盛り上げていただき、大変感謝しております。本日は行事が立て込んでおりますので、挨拶の方はこれで切り上げさせていただきます。ただ、今週から随分寒くなるそうです。皆さんにも、健康には大変留意していただいて、年末を過ごしていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
5.丹羽 修幹事 報告
(1)次週例会終了後に、記念写真を撮影します。速やかな移動にご協力下さい。
(2)写真撮影終了後に、定例理事会を開催します。
(3)本日、2月18日(土)開催予定のIMの御案内を配布しました。出欠のご回答をお願い致します。
(4)他クラブの例会変更をご参照の上、メーキャップをお願い致します。
8.本日の例会
卓話 :『地域の財産小水力発電所の歴史と現状、企業の取り組み』 卓話者:益田スマートファーム(株)技術顧問 全国小水力利用推進協議会 前代表理事 沖 武宏様、
同社取締役 堀江勝幸様
卓話担当:大見 満宏君
【小水力発電とは】
水力発電とひとくくりに言いましても水力発電にはそれぞれ目的によって大きく分かれております。
1番小さいのは数十万から数百万円でできる家一軒を賄うようなもの。
次に水道などに付帯的につける付帯発電というものがあります。
そして今日のテーマである事業用の発電設備。
これは地域の河川を利用して発電しています。
川の一部をせき止め、流れを急にして、パイプを通して発電所に持っていきます。
発電所の中にある水車をその水で回し、水車に繋がっている発電機が電気を起こします。
そして変圧器を通して皆さんもよくご存知の線路へ繋がります。
一般河川の急流がある所、砂防えん堤のような所、業務用水路があるような所などに設置されます。
【織田史郎について】
小水力発電を考えた人物です。
敗戦当時の日本の電力は非常に不足しておりました。
農村も疲弊しておりました。
ならば農村に小さな発電所を作り、その利益で少しでも農村の疲弊を解決できないかということから、当時の国にも働きかけて小水力発電所の設立の法律まで作らせました。
彼が考えたことを今、国としてやろう、再生可能エネルギーによる発電をやろうとする時代になってきました。
織田史郎さんの時代は電力会社にやらせるという形でしたので、一般の人が電気を作って売るということはできなかったのですが、10年前に法律が作られ、一般の人でも電気を作って売ることができるようになりました。
【笹倉ダム】
島根県益田市の企業団地の業務拡大で大見工業が地元の支援に報いたいと、そのためには地域資源を生かして小水力を作り、その収益で益田市の若者の奨学資金制度を確立したいということから計画したものです。
視察を行い、その結果計画を進めるために地元の応援を得て、県の方に協力を願いました。
県の方からアドバイザーを指名するから協力してもらいなさいということで、当時アドバイザーに任命されておりました私が、大見工業さんの方で一緒に調査をしました。
検討の結果、100キロワットの経済効果がありそうだということになり、社長は計画を実施するということに決断されました。
これには法的な手続きや電力会社への売電の手続きなど、非常に大きな難しい問題があります。
大見工業さんは熱心な努力をされたことによってそれを次々とクリアされました。
そして、2019年正式に設計着手しました。
この発電所を建設・運営するのに、地元の企業としてやらなければいけないということからスマートファームを設立しまして、地元企業としての発電事業をスタートされたわけです。
設計業務や土木工事、発電機器を製作する、電気工事等をすべて地元でやりたいということで、それぞれ1社を指名されて協力を得るように要請されました。
初期投資が大きくなり、経済性があまり良くないということになりますが、指名された各企業の知恵と努力で大幅なコスト低減が図られました。
また、県からも建設に対する補助金も拠出してもらうことができました。
設計着手から3年、色々な問題もありましたが、地元関係者・県の協力を得て、この8月1日に、発電開始となりました。
出力は100キロワット。
だいたい一般家庭100戸分です。
年間、60万キロワット発電するという計画でございます。
【小水力発電のいま】
昭和20年代の小水力発電は現在も当初と変わらない出力で稼働しております。適正な維持ができれば60年以上、場合によっては100年、建設以来変わらぬ電力を作り出し、そしてそれが地域のエネルギーとして利用することができます。
法律上、企業が取り組むことができませんでしたが、今回の制度のおかげで企業が取り組むことができるようになりました。
企業が社会に貢献でき、同時に企業として確立できるのです。
笹倉ダム発電所は地域への協調と事業性を両立するビジネスモデルとして初めてのパターンだということで皆さんから注目されております。
小水力発電は地域、地元との連携等が必要でして、これらを昭和20年代から始まっている中国地方の60年の歴史を刻んだ経験に学んで事業としての確立や地域の財産としての長期展望を持つことが最も大切であるということを申し上げて終わりにさせていただきます。