第695回 例会 2014年10月1日(水)
更新日:2014/10/07
第695回 例会
ゲスト :森 雅博 様 (KATCHネットワーク代表取締役社長)
ビジター :
1.点鐘
2.ロータリーソング斉唱
3. 会長挨拶
今日は、職場例会であります。
まず、キャッチネットワークの森社長様には、三河安城ロータリークラブのために会場を提供していただきましたことを厚くお礼を申し上げます。
地元のイベントや大会に出かけまして、キャッチさんのスタッフの方々を見かけますと、今日はテレビで放映すると思うと、何となく背筋を伸ばすわけであります。
ほとんどの会員はキャッチのテレビサービス、インターネットサービス、ケーブル電話といろいろなところでお世話になっています。その割にはテレビ局が、どうなっているのかほとんど分かりません。今日は「防災放送の取組み」ということで紹介していただけます。とても興味があり、楽しみであります。
こういった機会はなかなかありません。しっかりと見学させていただきたいと思います。
4.幹事報告(安藤幹事)
・今月のロータリーレートは1ドル106円です。
・次週10月8日の例会終了後、クラブアッセンブリーを行います。理事、委員長の出席をお願いします。次週はレジュメにも記載してあります通り、ガバナー補佐訪問となっております。
・同じく次週、10月8日の18時より、稀酒、珍酒、迷酒を味わう会を開催いたします。
・今月までがクールビズ月間となっております。
5.委員会報告
出席報告 出席委員会
出席率 100.0%
親睦委員会
静岡への旅行について
ゴルフ部会
6.卓話
卓話:「キャッチネットワークにおける災害放送の取組み」
担当 : 職業奉仕委員会 齋藤委員長
卓話者:(株)キャッチネットワーク 代表取締役社長 森 雅博 様
【齋藤委員長】
今年は例年になく全国で自然災害が頻発しており、情報伝達が必須となってきている。そういった観点からも、本日のキャッチネットワーク様の取組みを知る良い機会と思われる。ちなみに、キャッチさんは安城、碧南、刈谷、高浜、知立、西尾がサービス対象地域。そしてその約60%の世帯がケーブル接続しており、そのうち約62,000世帯が多チャンネルサービスを利用している。故に災害時には、その多チャンネルが活用されると思われます。
【(株)キャッチネットワーク 代表取締役社長 森 雅博 様】
本日は、キャッチネットワーク(以下キャッチ)にご訪問頂き、誠にありがとうございます。私は今年6月から社長を拝命しました。キャッチは社会奉仕活動、社会貢献をするために作って頂いた会社なので、ロータリークラブさんの思いと非常に近いと思っています。
私たちは事業そのものが社会貢献であるという認識で、毎日活動している。
経営理念は「ケーブルテレビを通じて知識と娯楽を提供し、地域社会との語り合いを通じて新しい文化の創造と、心身ともに健康的な生活の実現に貢献する」、つまり、地域の人が幸せになって貰う為の情報インフラや放送サービスを提供しますよ、という経営理念を掲げている。
キャッチの事業内容はいろいろな側面があるが、1つには地域のテレビ局という側面を持っている。地域のコミュニティチャンネル(地上波の11、12チャンネル)で放送を流していて、もし皆様がテレビで地上波の11、12チャンネルに合わせて頂いて何も見えない場合はキャッチに繋がっていないか、テレビの設定ができていないかのいずれかなので、その際はキャッチにご連絡いただきたいと思います。
災害放送は地上波の11,12チャンネルでお届けするようになっている。故に契約者数から考えると、地域に住む6割の方に我々がお届けする災害放送を見て頂けることになっている。
キャッチは最大66の有料多チャンネルも持っている。
そして地域のコミュニティFMラジオ局という側面も持っている。このラジオ局は別会社にしているが、FMキャッチという会社で運営している。
FMラジオは我々がテレビサービスをさせて頂いている地域とほぼ同じくらいの地域で放送されている。このラジオ放送はインターネットラジオでも放送しているので、スマートホンがあれば、東京に居ようがハワイに居ようが放送を聞くことができる。つまりインターネットラジオ局という側面も持っています。
地域の通信事業者という側面も持っている。つまり、インターネットのインフラを提供しているという事です。光ファイバーはエリアに約3,000Km以上張り巡らせているので、インターネットはもちろんのこと、テレビのサービスもこの光ファイバー網に載せています。それ以外にも、インターネットを実際にお届けする「プロバーダー」という事業もしている。
インターネットプロバイダーとしてのキャッチを利用している方は、昨日(平成26年9月30日)の時点で約64,000世帯にのぼる。「ケーブル+電話」という電話のサービスも行っていて、地域の通信事業者という位置づけとテレビ局、ラジオ局という位置づけを我々は持っている。
サービスエリアは碧海5市と西尾市を対象としている。
キャッチの設立以降の加入者の推移は、基本的には右肩上がりで増えている。キャッチとご契約いただいているのは10万世帯を超えている。つまり、地域の約4割の方がキャッチと何らかのご契約をされていることになる。
キャッチの株主構成は、トヨタグループが48%の株式を保有しており、他に各行政様が5%、残りの47%は地元の経済界の方々に持っていただいている、という内容になっている。
キャッチはこれまで単独で事業を進めてきたが、今また競争環境が厳しくなってきた。そこでトヨタグループと中部電力グループ、10社程度あるケーブルテレビ局で連合を組んで、ホールディングカンパニーを作っている。それがCNCIというグループ。
キャッチではコミュニティチャンネルでいろいろな番組を流している。地域報道、地域情報、地域の伝統文化(伝承)、子供の野球・サッカーの大会を支援しながら、番組を放送している。
本日はその地域報道の中で、災害放送についてお話させて頂く。
キャッチの災害放送の仕組みは、テレビ局という側面、ラジオ局という側面、通信事業者としての側面があるので、テレビ・ラジオ・インターネットを使って災害放送を流している。具体的には、災害が起こった時、たとえば台風が来たときや自信が来たときは各市はまず災害対策本部を設ける。各市に災害対策本部が設置されるとキャッチも同時にキャッチの災害対策本部を設けることになっている。そして各市から様々な情報が、キャッチに流れてくるようになっている。それを我々が放送インフラを使って皆様に情報をお届けするという図式になっている。
もう少し具体的に述べると、各市の災害対策本部から入ってくる情報を、キャッチのテレビスタッフとラジオスタッフが一緒になって災害対策班というのを設定して放送に携わる。ちなみに現在、テレビとラジオのスタッフは約30名ほどいる。この30名を4班に分けて、各班7~8名ほどで班編成をしている。そして1班ごとに週替わりで「災害担当班」となり、責任を持って対応することになっている。
災害担当班になっている際は1週間、何があってもすぐ動けるようにしておかなくてはいけない為、彼らにはお酒もその期間は飲まないように指導している。かつその1週間をキャッチのエリア外にも出ないようにさせている。これが私達の災害体制の一つのポイントになっている。
東日本大震災の後、我々も東北に行き、様々な事を学んだが、震災当時テレビは活躍しなかったそうである。停電等が原因であるが、テレビの電源がまず、入らなかったそうである。ただし、ラジオは非常に有効であったという事例が多数上がっていた。それゆえ、われわれ社員は災害時にはラジオを中心に考えようとしている。
毎週1回、ラジオの非常時対応の際の訓練を行っている。
訓練することによって、「何をしたらよいか」というのが身につく。
世間では災害時の対応の為に「マニュアルを作る」という声が多数聞かれるが、わが社には基本、分厚いマニュアルというものは無い。マニュアルを作ってしまうと何となく安心してしまう。しかし、実際災害が起きた時は、マニュアルを読むことがでいないであろうから私ども放送の責任者は、マニュアルを作るのではなく、やることを体に叩き込もうという訓練を毎週1回1時間をかけている。そしてラジオを立ち上げたり、放送したりという訓練をすることにより、いざという時に備えている。
放送事業者という側面もあるがゆえに、各市の災害本部から入ってきた情報は、テレビのデータ放送と呼ばれる部分で放送する。このデータ放送で流す情報を、インターネットを通じてパソコンでも見られるようにしている。パソコンだけではなく、スマートホンでも見たいという要望もあったので、今現在はスマートホンでも見られるようになっている。同時にスマートホン専用アプリというものをキャッチが開発して、スマートホンからラジオのサイトに入れるようにし、スマートホンからキャッチのラジオ放送が聞けるようにもなっている。
したがって、キャッチの災害放送は、テレビ・ラジオ・スマートホン及びパソコンを用いて、各行政からの情報を視聴することができるように準備させて頂いている。
災害時にはテレビにおいて、通常の画面ではなく、災害専用の画面に切り替えて放送する。Jアラートと呼ばれる、国が緊急の情報を流す仕組みをキャッチの11チャンネル12チャンネルを使って放送する仕組みも構築した。
災害放送と直接かかわりがあるわけではないが、キャッチエリアに19カ所ほど、道路や川のライブ映像がみられるようなカメラを準備している。たとえば大雨が降って「川の状態はどうなんだ」という時には、このライブ映像を見て頂くことができる。災害発生時には、テレビの画面で扱うカメラの位置を変える。大雨や台風時には川の画面を多く映すようにしている。このように災害の種類やタイミングに合わせて対応するようにしている。
例えば昨年度、どのように災害放送をしたかというと、大雨洪水警報などがある。
気象庁の地震速報なんかは、昨年は誤報があったが、地震速報が流れてしまうとキャッチは災害放送を立ち上げなくてはいけなくなり、その放送で「誤報でした」ということを伝えた。誤報であっても災害放送は流します。
昨年度は8回の災害放送を実施した。
キャッチは地域の行政(消防署等)とともに災害訓練を行っている。夏から秋にかけてのタイミングで各行政と様々な条件を設定して訓練を行い、行政から情報を貰って放送するという訓練も行っている。6市とキャッチが合同で災害訓練の実施も行った。
今年度は碧南市において愛知県の防災訓練というのがあり、キャッチも呼ばれていたので参加した。
キャッチは基本的には情報を流すインフラである。流すべき情報を行政からいただかない事には流せません。我々が一番やっているのは、警察や消防などの行政と緊密な関係を取り合って災害放送に備える体制作りであり、それに取り組んでいる。
別会社のラジオ局、FMキャッチは3年くらい前にサテライト車、派手な車を導入した。こうした派手な車は、「災害放送を流す時に聞いてもらわねば災害放送としての機能が果たせない、どうしたら聞いてもらえるか」ということを考えた時に、市民の目をひく派手なカラーリングにたどり着いた。
もう1つは、大地震で社屋が壊れ、放送機器が使えなくなった場合に、この車は緊急アンテナと放送設備が積んであり、災害時はこの車のアンテナを高い位置に設置しサテライト車があれば災害放送を流すことが可能となっている。何かあった時に「想定外」というのは許されない。万が一震災でこのキャッチの社屋が損壊しても対応できる策は講じている。
ラジオ放送においては、24時間勤務の体制ができていれば良いのだが、いわゆる民放さんのように予算や規模が大きくないので、キャッチには夜間には職員はいない。
そういう無人状態時に何かあった場合、基本的にはすぐに駆けつけるのだが、駆けつけられない場合、行政がこのFMラジオの電波に割り込んで放送が流せる仕組みを取っている。
全国的に見てもこのようなサービスを複数行政と取っているのはキャッチだけ。
災害放送させていただくキャッチとしては、いろいろなインフラを整えることで、いざという時に備えます。
これからのキャッチがどのような事を考えているかを少し話します。
キャッチに繋がっている方はエリア世帯の6割に達し、インターネットも25%の世帯がキャッチのお客様になって下さっている。
キャッチは全国のケーブルテレビ局の中でも、加入率の高い、順調に伸びている会社です。ケーブルテレビ局の使命は、地域の全ての方につながることではないか、と考えている。今、キャッチが一生懸命やろうとしていることは、地域すべての方とつながる事、そしてお客様になって頂いた方に一生のお客様になっていただくことです。
商売の基本だが、安くて良い商品をお客様に提供し、そしてアフターフォローをキッチリやれば、お客様が辞めることなどない。その商品が魅力的なサービスであれば、今キャッチに加入していない方にも入って頂ける。たくさんの方に加入して頂ければ、行政が情報を流したい時にキャッチのインフラを使って頂ける。
やはりキャッチの使命は全てのかたとつながること。それを目指して一生懸命やっていきます。今日お越しの皆様にもご理解いただけるのであれば、口コミで「キャッチ頑張っているぞ」と言って頂きたい。
最後に、通信事業者としてのポジションがキャッチにはあるが、皆さんの中には「他社の勢いは凄いぞ」と感じていらっしゃる方がいるかとは思うが、2012年にFTTH(光サービス)に切り替えて、このタイミングでウナギのぼりでお客様を増やしています。
「地域の方全てをお客様にしていくぞ」の意気込みでこれからも頑張るので、皆様のお力添えをよろしくお願いします。
以上